AIが普及しイラストレーターさん、絵師さんが直面している現実と未来について記事にしました。
そして記事を書いている私も実は美術学校を出身のイラストレーターです。
AIが普及し始め、SNSで見つけてしまった画像生成AI. Midjourneyのイラスト。あの人間では到底表現することが出来ないであろう緻密さ、美しさに感動とはまた別の湧き上がってくる絶望感。当時のあの感情を今も忘れることが出来ません。
はじめに:AIが描ける時代に、イラストレーターは必要なのか?
近年、画像生成AIの登場により「イラストレーターの仕事は将来的になくなるのでは?」という声が聞かれるようになりました。特に、商業イラストやSNSコンテンツでAIイラストが使われる場面が増えている中、イラストを描いて生計を立てたいと考えている人にとっては大きな不安材料です。
では本当に、イラストレーターという職業はこの先消えてしまうのでしょうか?
結論:イラストレーターの仕事は「変化」するが「なくならない」
AI技術の進化により、確かに単純作業的なイラスト制作の一部はAIで代替されるようになってきています。しかし、「人にしかできない表現」や「独自の世界観を持つ作品」へのニーズは依然として高く、むしろAIの登場によってイラストレーターの役割が進化していくと見る専門家も少なくありません。
AIによって代替されやすいイラストの特徴とは?
AIが得意とするのは、次のようなパターンです。
・キャラクターのバリエーション展開(ポーズ違いや表情差分など)
・ゲーム・広告で「それっぽさ」が求められる量産型イラスト
これらはコスト削減やスピード重視の場面では、AIによる生成が重宝されやすく、すでに一部で代替が進んでいます。
それでもAIにはできない、イラストレーターの価値とは?
AIはあくまで既存データの組み合わせによって画像を生成しています。そのため以下のような点では、人間のイラストレーターが圧倒的に強みを持っています。
◎クライアントとの対話からニーズを汲み取る力
◎物語性やコンセプト設計をともなう作品作り
◎感情表現、文化、社会的背景を読み取るセンス
これらは、今後もAIが模倣しづらい分野であり、イラストレーターの強みを発揮できる場面です。
AIを使えるイラストレーターが重宝される時代に
「AIに仕事を奪われる」のではなく、**「AIを使いこなす人が仕事を得る」**時代にシフトしています。たとえば:
◎構図案やカラーパターンをAIで多数生成して選ぶ
◎自作イラストを学習素材にしてAI補助を育成する
このように、AIをツールとして活用するハイブリッドなスキルこそ、今後のイラストレーターに求められる能力です。
イラストレーターの将来性:仕事は減るのではなく「分化」する
将来的には、イラストレーターの仕事は単一のスキルだけでは難しくなる可能性がありますが、逆に次のような新しい仕事領域が増えると予想されています。
新しい仕事領域 |
概要 |
---|---|
ビジュアルディレクション |
AIや他のイラストレーターと協力して全体の世界観を設計 |
キャラクターデザイン |
ゲーム・Vtuber・アニメ・プロモ用に独自のキャラを構築 |
NFT・Web3アート |
ブロックチェーン上の価値あるデジタルアートを制作 |
教育・講師 |
イラストの描き方やAIツールの使い方を指導 |
これからイラストレーターを目指す人へ:大切なのは“自分にしか出せない味”
将来が不安で進路に迷っている方へ、最も伝えたいことは:
「模倣されない自分らしさ」こそが、最大の武器になるということ。
イラスト業界が変化しているのは事実ですが、「表現したい世界がある」「誰かの心を動かす絵を描きたい」と思う気持ちは、どんな時代にも価値があります。
まとめ:AI時代のイラストレーターは“生き残る”ではなく“進化する”
イラストレーターという仕事は、単純に「なくなる」ことはありません。
ただし、旧来のやり方に固執していては厳しくなるのも事実です。
これからは、個性・共感・構成力・ツール活用力を武器にする“進化型イラストレーター”が活躍する時代です。